2月11日【紀元祭】
現代の日本の暦では2月11日は「建国記念日」という名称の祝日と定められています。
元は、古事記や日本書紀で日本の初代天皇とされる神武天皇が即位したとされる日「紀元節」として、明治5年11月15日に明治政府が制定した祝日が転じたものです。
日本全国の神社では、国の肇めを祝い、国運の隆昌を祈るお祭「紀元祭」を執り行っています。
国の肇めを祝い、国運の隆昌を祈る
この画像は、奈良時代の貴族・太安万侶(おおのやすまろ)が編纂した「古事記」中巻の1ページです。
右から6行目の「神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)」(礼は旧字体)が神武天皇のことを記しています。
日本書記では「神日本磐余彦天皇(かむやまといわれびこのすめらみこと)」と記されています。
この2つの書物が世に出たのは奈良時代。はるか昔のことです。神武天皇が天皇に即位なさった年は、さらにそこから遡り、西暦でいうと紀元前660年のことです。
よく、紀元節や建国記念の日について、真実か否かを問うことがあります。その答えを明確に出すことは不可能です。
大切なことは、2月11日が正しいかどうかではなく、日本という国の歴史が長く続いていること、自身の御先祖様をはじめ、多くの人達が、その歴史の中に存在し、今、私達がここに在ることに感謝し、明日・未来に繋げていく、そういう思いを再確認することが大切なのではないでしょうか。
その「節目」として「紀元節」「建国記念の日」が定められている、と考えてみてはいかがでしょうか。
※画像出展 国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/772089
128ページ内の14ページ
インターネット公開(保護期間満了)