人間の生活に最も重要とされる『衣・食・住』。着る物と食べる物と住む所の3つの要素が安定的に確保されていれば、人間らしい文化的な生活が営める。いう事ですが、その中の“衣”着る物は今の時代、労働で得た対価を支払って購入する事が一般的です。では、ほんの数十年前まではどうだったでしょうか?呉服や高価な着物などは別として庶民の普段着などは、ほぼすべて手縫い作業。ハンドメイドでございます。つまり裁縫というものが現在よりもっと密接に生活と結びついていたわけでございます。昔の人は物や道具をとても大切に使いました。長い間使っていると、その人の想い(愛着)が込められ、たとえそれが古くなり壊れ、使えなくなったとしても感謝の気持ちを込めてご供養されたのでしょう。針も現在のように工場での大量生産となる前は一つ一つ大切に使われ、役目を終えた針は【針供養】という形で「これからはゆっくりとお休みください。」という意味を込めて柔らかい豆腐や蒟蒻に刺し立てご供養されました。併せて、裁縫技術の向上を願って手を合わせたのでしょう。ここ高知八幡宮では、もう一つの要素“食”に関しても、供養祭が執り行われております。春には「生命を運び、繋げる」“お箸”の【箸供養祭】を斎行しております。万物に感謝をし、敬う日本人の心を大切に受け継いで行きたいものですね。
お知らせ
2/3【節分祭】を斎行致しました。節分とはまさに大気の節が、陰から陽へと転ずる節目となる日でござます。古くからこの節分を以て本当の年があらたまる。という考えがございます。ですから、厄年に当る方の厄除け・お祓いなどはこの節分の日に行うと良いと言われております。当宮では、年末からこの日までにお申し込みいただきました【厄除け】【星除け】【年災除け】の方々のご祈祷【節分祭】を夜半から日の変わる頃まで、凡そ2時間に亘って神職数名で神事を執り行っております。そして翌日の立春大吉より、ご祈願いたしました御神札・お守りをお受け頂くようになります。例年、この時に一緒にお渡ししている『福豆』ですが、今年はお参りの方が多くおいでたようで、昼頃までには全て授与されておりました。来年からはもう少し量を増やそうと考えております。(今回、お渡し出来なかった方は申し訳ございません。)ご祈願のご依頼は2月中、またはそれ以降になってしまっても大丈夫ですので、厄年・黒星が気になる方はいつでもご希望の日時をお知らせ下さい。
24節季は【大寒】、そして72候では第71候にあたる【水沢腹堅-さわみずこおりつめる】の時期となりました。1年で最も寒くなる時期とされております。節分も近くなるこの時期には毎年、高知八幡宮の拝殿に『福豆』をお出しして、ご参拝の方へ授与させて頂いております。節分の行事として割と欠かせないのが“豆撒き”ですよね。風習というものは古今東西すこしづつ違っているものですが、この豆撒きに関しては(一部の地域では大豆の中に落花生が混ざる)日本全国でほぼ同じような形で定着しているようですね。「目に見えない邪気を追い払う」所作として解り易かったのでしょうか。撒いた豆を自分の歳の数か、あるいは1つ多く食べると体が丈夫になってその年1年間は風邪などを引かないとされています。60歳の方なら60粒。・・・けっこうな数ですよね。自分は30粒ぐらいからちょっときついかもしれません。当然、恵方巻の丸かぶりのように無言で一気にという訳ではないのでしょうが、すり潰した“きな粉”ならともかく、炒ってあるとはいえ素材そのままに近い豆を何十粒も食べるのならそこそこ良い豆でないと業になってしまいそうです。その点、高知八幡宮でお分けしているこの『福豆』は、高知県では知る人ぞ知る「まじめなお菓子‐ミレービスケット」で有名な『のむら製菓』さんの炒り豆なので、間違い無い!です。はい、いくら食べても全然飽きませんよ。まったくぼそぼそもしません。むしろしっとり滑らか、と言うのは言い過ぎですが、素朴な風味と炒り豆の香ばしさが後を引きます。うん、これなら100歳の方でも大丈夫。
2/3は節分でございます。この日は、大歳の気が分かれる節目として、この夜半に実際の年が改まるとの信仰があります。故に、この日は【厄除け】【黒星除け】【年災除け】祈願を受けられる方が多く参られます。また夜半には、神職が『節分祭』を斎行致しまして、お申し込みいただいた氏子・崇敬者の皆様のご祈祷を致します。この日にご昇殿祈願をご希望される方は、午前9時より午後9時まで、30分おきにご祈祷を行いますので、ご都合の良い時間帯にお越し下さい。また、『節分祭』に頼み置かれます方は、2/3当日の午後6時までにお申込み下さい。立春大吉の翌日より御神札をお受け頂けます。そして、節分が近づくこの時期には、当宮で『福豆』が授与されます。おそらく来週末あたりから拝殿、また社務所前において数量限定での無料授与を致します。この福豆(節分豆)も地域によって色々と面白い特性があるようで、かく言う私も関西に居た頃は、“落花生”が当然のように混ざっておりました。ですので、豆まきをしようものなら当然、室内には落花生の砕けた殻が散乱。豆まきの後は、実際に鬼か邪気とでも格闘したかのような様相を呈していたものです。逆に、高知へ移って初めて聞いた風習に、自宅へ帰り着く直近の四辻に自分の年の数の炒り豆をこっそりと置いて、振り返らずに帰る。といったものがありました。皆様のお住まいの地域ではいかがでしょうか?
2月8日の事始めに、高知八幡宮では『針供養祭』を斎行しております。使い古した針や折れたり曲がったりなどして使えなくなってしまった針を柔らかい豆腐に刺し立ててゆっくり休んでもらい、ご供養を致します。高知八幡宮の境内には他にも【箸塚】【包丁塚】【魚塚】がございまして、3月には『箸供養祭』も行っております。日本人は古来より、生活に密接に関わる“もの”にはその人の想いが移り、いつしか魂が宿ると考えられてきました。特に裁縫(針仕事)は昔の人々にとって、衣・食・住に直結する大変重要なものであり、針は大切な道具として扱われてきたのでございます。この筒箱は、ご供養にお持ち頂くための【高知八幡宮針供養祭専用針入れ】でございます。可愛らしい印鑑は、以前こちらで巫女さんとしてご奉仕を頂いていた方の手造りでございます。とても繊細なデザインで感心させられます。この消しゴムはんこを見るたび、いつも思い出します。(はなさん、お元気でしょうか?)
神社が好きな方や、日本文化をもっと知りたい方のための検定(主催元HPより)だそうです。全国的に開催されており、今回は第9回目となります。合格者には様々な特典もあるようですね。神社の事に興味を持っていただき、より知って頂くにはうってつけの検定でございますね。しかしながら、全国的に開催されているとはいえ実はここ高知県には未だ検定の試験会場がございません。これは寂しいっ!と、現在この高知八幡宮を試験会場として使用できないかと検討・調整を始めております。会場として運営するには、様々なマニュアルや条件があるようですので、まだ確約は出来ませんが、教化活動の一環としてはこれほど既に下地が整えられた企画はめったにない事ですし、おこがましいかもしれませんが高知県の神社界のベースアップの為にも何とか実現させたいと思っております。