「実はパワースポット化していません?」
・・・という事で、境内社の【磐長姫神社】のご紹介です。
ご本殿の東側、3社相殿となるお宮の向かって左殿に御鎮座。
日本の国土、山々の守護神である「大山衹神」の御息女であり、
縁結び・寿命長久の守り神でございます。
御神名のとおり「岩のように堅固で永久不変のもの」
という事から「寿命長久」の御神徳。そしてまた、
神話では、天孫邇邇芸命(ににぎのみこと)の元に妹神の木花之佐久夜姫神(このはなのさくやびめのかみ)と共に嫁ぐが、
容姿が醜かった事から、父の元に送り返されてしまいます。
父である大山衹神はそれを怒り、
「磐長姫を差し上げたのは、天孫が岩のように永遠のものとなるように、木花之佐久夜姫を差し上げたのは、天孫が花のように繁栄するよう契約を立てたからである」と教え、
磐長姫を返したことで天孫の寿命は、木の花が儚く散る様に短くなるだろう。と告げられました。
この様な神話からも、磐長姫神の御神徳は「縁結び」でありながら、一方では「悪縁切り」という「良縁」は結び、「悪縁」は断ち切る。
という側面も持ち合わせているようでございます。
そのような事からなのでしょうか。
近年、と言っても10年ほど前からじわりじわりとではありますが、
この【磐長姫神社】について遠方からわざわざ訪ねて来られたり、
時には御師(おし)の様な方が団体を引き連れて参拝に来られ、
神社のいわれや、御祭神の解説などを社殿前で講話さる姿を時より見かけるようになりました。
どうも、知る人ぞ知るパワースポットと化している様子でございます。
やはり、世知辛い世の中。
現代の複雑な人間関係では、良縁を結んで下さるだけでは飽き足らず、
生活を営む上で、どうしても避けては通れない自分にとっては不都合となるような縁。
つまり悪縁の方を断ち切ってもらう事も、良縁を結んで頂く事以上に切実なことなのかもしれません。
かく言う神社で奉職する身であっても、本当に極希にではありますが、たまぁ~に、崇敬の念が全く感じられない方の “ 矢面に立たなければならない時 ” などには、
「ちょっと、このご縁はご遠慮ねがいたいのになぁ。」なんて、下手な駄洒落のような・・・
こんな時にはどうしても「あぁ、申し訳ないが、このご縁は磐長姫神さまに切ってもらえたらなぁ。」なんて思うことも・・・。
(本当に極、極、希にではありますが。)
そんな事を思うと、まぁ、人間関係に於いて悩み多き時代に、パワースポット化するのも分かるような気が致します。
にっちもさっちも行かなくなってお悩みの方は、どうぞお参りしてみて下さいませ。
(但し、愚痴や悪口は厳禁ですぞ。あと、必ずお礼参りも忘れずに!)
権禰宜H