2/8事始め【針供養祭】斎行

人間の生活に最も重要とされる『衣・食・住』。着る物と食べる物と住む所の3つの要素が安定的に確保されていれば、人間らしい文化的な生活が営める。いう事ですが、その中の“衣”着る物は今の時代、労働で得た対価を支払って購入する事が一般的です。では、ほんの数十年前まではどうだったでしょうか?呉服や高価な着物などは別として庶民の普段着などは、ほぼすべて手縫い作業。ハンドメイドでございます。つまり裁縫というものが現在よりもっと密接に生活と結びついていたわけでございます。昔の人は物や道具をとても大切に使いました。長い間使っていると、その人の想い(愛着)が込められ、たとえそれが古くなり壊れ、使えなくなったとしても感謝の気持ちを込めてご供養されたのでしょう。針も現在のように工場での大量生産となる前は一つ一つ大切に使われ、役目を終えた針は【針供養】という形で「これからはゆっくりとお休みください。」という意味を込めて柔らかい豆腐や蒟蒻に刺し立てご供養されました。併せて、裁縫技術の向上を願って手を合わせたのでしょう。ここ高知八幡宮では、もう一つの要素“食”に関しても、供養祭が執り行われております。春には「生命を運び、繋げる」“お箸”の【箸供養祭】を斎行しております。万物に感謝をし、敬う日本人の心を大切に受け継いで行きたいものですね。

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